マルファン症候群は、症状の現れ方に個人差があるため生活上で気をつける点も違ってきますが、症状に合わせた無理のない生活をすることが大切です。
血圧が上がると心臓や血管に負担がかかり、循環器系の症状に影響を及ぼします。
●温度差の変化(5℃以上)に気を付けましょう。
【冬場】入浴前には、脱衣所と浴室を温めておきましょう。
外出時、マフラー・手袋・マスクなどは、玄関の中で身に着けてから出るようにしましょう。
夜トイレに行くときは、必ず1枚羽織って行くようにしましょう。
【夏場】冷房は、設定温度を下げ過ぎないようにし、外気との温度差を少なくしましょう。
●排便時にいきむと血圧が上がるので、便秘にならないように注意しましょう。
●出かける準備や、電車・バスの乗車には余裕を持ってバタバタしないようにしましょう。
●降圧剤を処方された場合は、飲み忘れないようにきちんと飲みましょう。
●運動については、できる範囲に個人差がありますので、必ず事前に主治医と相談しましょう。重量挙げや身体が接触するスポーツは避けた方がよいでしょう。軽い運動(散歩や自分のペースで走るジョギングなど)は、気分転換や体力維持につながります。疲れた時には、すぐに休めるように楽に行いましょう。
色々な症状が出てくるのではないか、将来どうなるのだろうという不安や、その他生活上のストレスなどが、思わぬ不調となってあらわれることがあります。患者さんご本人だけでなく、ご家族や恋人のことを心配される方にとっても、過剰なストレスはあなた自身の身体によくありません。自分一人で悩まずに、家族や友人、カウンセラーに聞いてもらうだけで楽になる場合もあります。ストレスが溜まって身体に異変が出る前に、自分なりの上手な解消方法を身につけるようにしましょう。
マルファン症候群を必要以上に恐れすぎて動けなくなってしまわないように、マルファン症候群をきちんと知ることも大切です。患者さんの集まりに参加して、悩みをわかちあうこともお勧めします。
睡眠不足の状態が続くことは、体にはかなりの負担がかかります。
お腹に動脈瘤があるときは、ベルト・ガードル・帯などで、お腹をきつく締めないように気をつけましょう。
食事は、一般的に体によいといわれるバランスのとれたものをいただきましょう。
動脈瘤が発生する原因に、体内でできるコレステロールが動脈壁にくっついて動脈硬化を起こすことがあります。マルファン症候群による体質的な血管の脆さに加え、食事によりリスクが高まることがないように気をつけましょう。
タバコは心臓・血管に多大な影響を与えますので、禁煙しましょう。
突然の痛みや息苦しさを感じた場合は、動作を止め、安静にしましょう。
2)職場・学校・街中などの場合、無理に動かずに近くにいる人に助けを求め、救急車を呼んでもらいましょう。
そばに誰もいない場合は、出入り口付近などで楽な姿勢をとり、落ち着いて携帯電話などで救急車を呼びましょう。
3)救急隊員が到着したら、マルファン症候群(または疑い)であることを必ず伝え、大動脈解離の疑いを伝えておきましょう。かかりつけ病院がある場合は、救急隊員に伝えましょう。
※緊急時に備えてエマージェンシーカードを作成し、携帯しましょう。
東日本大震災では、交通機関の麻痺により薬剤の流通が止まり、薬剤が不足した地域がありました。そのため、普段欠かすことのできない薬は2週間程度の予備を持っておき、非常持ち出し袋に入れ、自宅のすぐ持ち出せる場所に保管しておくようにしましょう。
また、外出時に被災した場合に備え、数日分の薬を持ち歩く習慣をつけましょう。
予備薬は定期的に入れ替え、常に新しい薬が手元にあるようにしましょう。
災害のショックや身体状況によっては、記憶していることを伝えられない場合があります。
緊急時に備え、避難場所や家族との決まりごとなどを日頃から話し合い、医療情報や緊急連絡先をカードに記入して、常に携行するようにしましょう。
下記より、カードをダウンロードし、プリントアウトしてご利用ください。
マルファン症候群と、大動脈解離がおきる可能性のある患者さんにもご利用いただけるカードです。
記入方法のサンプルはこちらをご覧ください。
(続く)