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高血圧についてマルファン症候群患者さんへ

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2018年06月15日

 

東京逓信病院院長 平田恭信先生より、マルファン症候群の患者さんに、高血圧についてのメッセージをいただきましたのでご紹介いたします。

平田先生は、以前、東京大学医学部付属病院でマルファン外来をされていらっしゃった先生で、まだマルファン症候群が指定難病になっていない時に、私たちと共に厚生労働省に署名を持って要望を伝えに行ってくださった先生方のおひとりです。

患者さんはもちろんご家族の方も、高血圧について気をつけるきっかけにしましょう。

高血圧について

東京逓信病院 平田恭信

心臓病や脳卒中の主要な原因は高血圧です。そのことを一般の方によく知っていただこうと高血圧に関する解説書の監修をしました。日本では4000万人以上の方が高血圧であり、その多くは遺伝によって血圧が高くなると考えられています。すなわちお父さんかお母さんのどちらかの血圧が高いとお子さんの多くは中年以降に高血圧になる確率が高いという訳です。現在、高血圧の定義は140/90mmHg以上とされています。130/85mmHgの人でも120/80mmHgの人でも正常血圧といえますが、実は135/85mmHgの方は120/80mmHgの方よりも心筋梗塞にしても脳卒中にしても約40%も発生率が高いことが知られています。こうしたことから血圧は低ければ低いほど良いという医学上の格言があるくらいです。そういう意味でもし大動脈に心配な箇所があると言われた方はご自分の血圧を見直してみましょう。また血圧を下げるためにはどういう方法があるかも知っておかれたほうが良いでしょう。大動脈を守るためによく使われるβ遮断薬やARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)は代表的な降圧薬のひとつでもあります。マルファン症候群の方は必ずしも高血圧ではありませんが、血圧が高いあるいは少し高めと言われた方はこの本とは言いませんが、一般向けの高血圧の解説書に目を通されることをお勧めします。

患者のための最新医学 高血圧 最新治療と食事 血圧を下げるおいしいレシピ付

価格:1296円(税込)
著者名:平田恭信(監修者)
ページ数:192
判型:A5
ISBN:978-4-471-40828-2
出版:高橋書店
目次やためし読みなどの詳細・ご注文は高橋書店HPをご覧ください。